「みぬま福祉会支援コンサート」を通じて、みぬま福祉会(以下「みぬま会」)の皆さんとはもうどのくらいのお付き合いになるでしょうか?
 年に一度行われるそのコンサートにおいて、みぬま会の皆さんとお目に掛かれることが、指揮者である私と東京室内管弦楽団の演奏者にとっても季節を感じる恒例行事となっています。

 みぬま会の皆さんから感じるのは、障害を乗り越えて生きようという常に前向きな姿勢と、人に対するあたたかな愛の眼差しです。
 「忙」という字が心を亡くすと書くように、日々日常に追われる中で我を見失いそうになった時、みぬま会の皆さんに接して、心のあるべき位置というべきものに立ち返ることができます。そんなみぬま会の皆さんに対して何ができるのか?
 私は音楽家として「みぬま福祉会支援コンサート」にお越しいただいた方々に、オーケストラと一丸となって音楽の素晴らしさや楽しさを精一杯お届けすることで、ささやかながらも明日への勇気や希望、元気のようなものを少しでも感じていただけたら、取り戻していただけたらと思うのです。演奏会場でのみぬま会の皆さんのあたたかな拍手、私たちへの応援の言葉を描いて下さる大きな横断幕などから、私たちも毎回たくさんの勇気をいただいています。
 みぬま会のめざす障害者福祉というものが、これからもたくさんの方々にご理解されますように。そしてこのような価値ある活動が未来永劫たくさんの愛ある方々によって支えられますように。私と東京室内管弦楽団も、音楽を通じてこれからも一生懸命みぬま会を応援させていただければと思います。

2018年1月2日
橘直貴