ジャパン・スーパーユース・マンドリンオーケストラ(以下、JSYMO)が今年も無事に開催できますことをたいへん嬉しく思います。ご協力いただいている皆さま、関係いただいている皆さまにはこの場をお借りして深く感謝申し上げます。サポートメンバーの方々も徐々に増えつつあります。また団体さまとしましては、CoCo壱番屋カレーショップを経営されているNPO法人イエローエンジェルの宗次徳二さまから、ひとかたならぬご支援をいただけていることで開催が成り立っていることに深く感謝し、ここにご報告させていただきます。

 巷、学生や一般社会人を対象とするコンクールが行われています。加えてこのところ音楽大学にもマンドリン科というのが新設されるなど、専門的に学ぶ機会も増えてきたようです。裾野が広がり、アカデミックな学びの仕組みが整う、これらはたいへんよいことです。その上で更に必要なのはトッププレーヤーを育てることであり、スポーツでのアスリートの世界と何ら変わりありません。JSYMOはこのトッププレーヤーの育成に特化したイベントと考え継続しておりますが、今現在、日本全国見渡してもそれに当てはまる若手演奏者の数はどうしても限られているようです。加えてJSYMOの認知度の足りなさも、参加者の増加には直接繋がっていないようです。全てはこれからです。

 コロナ禍のその先を見据え、成果を残し実績を積み上げていくことを精一杯頑張って参りたいと思います。幸いにして「講師」と呼ばれる音楽家の皆さんの献身的な協力と働きがここにあり、私たちを取り巻く方々の中にもJSYMOの存在意義を認め、様々な形で手を差し伸べて下さる方々も少しずつではありますが増えていることは上述した通りです。2018年に始まり徐々に高まりつつあったこのイベントは、2020年のコロナ禍により一旦止まってしまいました。それを再び動かしていくこと、また続けることの難しさ。一方で、諦めてやめてしまうことの簡単さを改めて感じております。人間関係と同じかも知れません、壊すこと、失くすことがいかに簡単なことか。

 私自身、JSYMO含め、マンドリン合奏の未来には常に前向きな気持ちでいますが、なかなか現実は厳しく、特に最近は大見得を切ったり大風呂敷を広げるような気持ちにはなりません。しかし、これからも未来を見据え同じ方向を向ける方々と一歩ずつ進んでいきたい、正に今現在そのような心境であります。
 

 
 
2023年10月9日
ジャパン・スーパーユース・マンドリンオーケストラ(JSYMO)
主宰・指揮者 橘直貴