お師匠さまである黒岩英臣先生のお導きがきっかけで、私はこれまで西南学院大学管弦楽団、西南学院OBオーケストラ、そして、橘フィルハーモニーオーケストラの皆さまと、ありがたくも永いご縁をいただいて参りました。このことに心より感謝しています。そして、西南の皆さまとの繋がりが現在、過去、未来へと継続していく中で、福岡という場所は私にとりましてかけがえのない大切な場所となりました。
橘フィルハーモニーオーケストラの皆さまとは、ここ数年楽しくご一緒させていただいていますが、この9月にも第15回演奏会があります。西南学院大学管弦楽団において、過去には橘常定先生がその発展に力を注ぎ、当時の学生だった現OB・OGの方々に教えられたこと、それをOG、またOGの皆さんが世代を超えて継承していこうという強いベクトルが、西南の場合特に感じられます。そして、橘フィルハーモニーオーケストラの皆さまと接するようになってより一層明らかになったのは、現役の学生さんを見守る愛、西南という母校に対する愛情です。母校や後輩たちに向ける眼差し、絆の強さと愛情の深さは、私のような門外漢から見ますと、とても羨ましいものと感じられます。
オーケストラとは一体どのようなものなのか?
時代は移ろいゆくもの。その中で、大学オーケストラやアマチュアオーケストラの在り方も少しずつ変化するものなのかも知れません。しかし、西南のOB、OGの皆さまとお話をさせていただきますと、やはり橘常定先生のお話が出て参ります。その教えの数々には、オーケストラのみならず何かの事柄に向かう時の姿勢や態度がどうあるべきかという、その本質が宿っているような気がしてなりません。私は指揮者の立場から、西南の皆さまが大切に守り育ててきたものを、ご縁ある限り西南の皆さまと共に継承して参りたいと思います。故きを温ねて新しきを知る、ということです。その意味も含め、私自身もまだまだ学ばなくてはいけないことがあるようです。
西南学院大学管弦楽団、西南学院OBオーケストラ、そして橘フィルハーモニーオーケストラが三位一体となって今後益々の発展を続けていけますように。微力ながらも、その一助となれば幸いです。
それではこの拙文をお読み下さっている皆さま、9月24日は是非、会場で橘フィルハーモニーオーケストラを応援して下さい!
最後になりますが、私がこれを書いている現在、先日起こった西日本豪雨の被害が徐々に明らかになってきており、被害の大きさに日々心を痛めております。皆さまにおかれましても生活やお仕事、また勉学への影響や被害、支障がこれ以上出ないことを、心よりお祈り申し上げます。
2018年9月24日
指揮者 橘直貴