記念すべき第1回となるジャパン・スーパーユース・マンドリンオーケストラが、大成功の内に幕を閉じました。

 たった3日間一緒に過ごしただけなのに、全国から集まってくれた高い志を持つ受講生・聴講生の皆さんとは、数年前から友達だったような、親密な連帯感が生まれました。

 柴田高明さんが「スーパーユースロスになっている」と打ち上げで仰っていたお気持ちを、僕も今更ながら実感しています。そして、修了コンサートで会場に鳴り響いた作品のそれぞれが、僕の頭の中では未だに鳴り続けています。それほどまでに、アンサンブル、オーケストラ共に、密度の濃い素晴らしい演奏が繰り広げられました。それを導いて下さったのは、日本における最高峰ともいえる、豪華な講師の方々でした。修了コンサートにおける講師陣によるステージは、正に圧巻。また、セミナーにおける講師の方々の、受講生を教える情熱、あたたかな眼差しは、感動的ですらありました。柴田高明さんをチーフとする、佐古季暢子さん、中野薫さん、掘雅貴さん、吉住和倫さん、そして今回東京から賛助出演下さったコントラバスの内山和重さん皆さんのお力は、絶大でした。終演後、内山さんからは「来年以降コントラバスパートの受講生も是非募集して欲しい」「自分が教えたい」という、とてもありがたいご提案がありました。実現に向けて、動いていきたいと思います。

 今回のスーパーユースにおける“第1期生”ともいえる受講生の皆さんは、今後も演奏活動を続けていく中で、今回出会った演奏仲間との横の繋がりにおいて、これまで地元での活動にとどまっていたその輪が、全国という規模へと広がりを見せることでしょう。そしてその兆しは、既にスーパーユースの期間中に徐々に芽生始めていたのを僕は感じます。芸術が常に新しい刺激を求めるものであれば、レヴェルの高い演奏者との共演は、これ以上ない刺激となるからです。

 今回のスーパーユースを、今後どのようにしていくのか──次回に向けて、今回のクオリティを更に向上させながらも、先ずは修了コンサートを満席にできるようにするのが目標です。そうなれば次なるステップは、修了コンサートをツアーにして、更なる日本全国へのスーパーユースの認知度と必要性を、より高めていくという段階を踏むことができるはずです。それには、どうしても資金が必要です。このスーパーユースが本当によい活動を継続していることを、広く知っていただくための広報活動も、並行して行いたいと思います。
同時に、このスーパーユースの期間中、聴講された方々からは「年齢が更に上の方々をターゲットにしたスーパーアンサンブルセミナーの開催を」というお声を、ありがたくもたくさん頂戴しました。念頭に置きながら、スーパーユースの安定化・継続化を図りつつ、そちらの構想もあたためてみたいと思います。

 いつも、あまりに大風呂敷を広げてお話するのもどうかと思いますが、僕のような立場の者が旗振り役として、目標や魅力的なコンセプトを掲げることで、実現化への道筋も大きく開けるのではないかと考えています。もちろん、言うだけ番長ではマズイのですが、このプロジェクトが軌道に乗るまでは、もう少し旗振り役を務めたいと思います。そこに、たくさんの思いもよらぬアイディアや価値観が加味されれば、益々このスーパーユースは魅力的な存在になると信じています。

 スーパーユースの修了コンサートからまだ2日が経ったばかりですが、僕をはじめ、講師陣の皆さんや事務局のもとには、受講生・聴講生の皆さんからの感謝の言葉、感想が続々と届いています。いただいた一つ一つのメッセージに、丁寧におこたえしていきたいと思いますので、返信に少し時間を要するかも知れません。その点、ご了承いただければと思います。

 最後になりますが、今回の開催にあたって多くの方々のご支援とご協力を賜りました。オザキ譜庫管理委員会さま、株式会社サロットさま、ikegakuさま、フレット楽器ヤマサキさま、マニア大王さま、ロッコーマンさま、株式会社S.I.E.さま、有限会社絃楽器のイグチさま、有限会社ゼフィルス 石川薬局さま、その他皆さまのご協力なくては、今回のこのプロジェクトが成り立たなかったことでしょう。心より御礼申し上げます。

 それでは、来年の『第2回ジャパン・スーパーユースマンドリンオーケストラ』で、また再会できることを楽しみに、マンドリン・ギター界における日本のトップレヴェルの講師陣、優秀な親切な事務局のスタッフ一同、心から来年の参加を心よりお待ちしています!
 
 
2018年8月21日

指揮者・主宰 橘直貴
 
 
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